◎フォントについて
文字による情報交換は人間の知的活動の根幹をなすものであり、社会を構築するうえでも基盤です。 21世紀を目前にしてに興った電子技術による情報革命は新しい時代を迎えるがための必然的な変革 でもあったのでしょう。 Macintoshiが登場し、時を同じくアドビー社のPostScrip言語が確立されるなどすると、パーソナル コンピュータは急速に普及した。これらの電子化の流れは、しだいに情報インフラと言われるところ となり21世紀を迎えて数年のいま、この電子技術のな発展は情報産業のマルチメディア化とともに もはや社会の隅々に及ぶこととなった。 文字組版は、これまで金属活字、そして写真植字と時代を経てきましたが、デジタルフォントとなり、 PCによるDTP(Desk Top Publishing)へとその姿を変えました。 Fontはこうした刻々と成長を続ける電子技術の進化の真っただ中で舞台裏でこれらを支える対応が積み 重ねられてきました。Font Formatは電子革命の進化の証でもあります。
●ビットマップフォント
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初期のコンピュータはあまりにも低速であって、膨大な数と画数をもつ漢字処理は大変な重荷でありました。 ビットマップフォントは字形をタテ・ヨコのマトリックスで分割し文字を画素(ドット=ビット)の位置データと した。24×24、32×32、48×48・・・56×56・・・128×128。 初期ワープロ専用機では文字データがROMに収され読み出された。PCはやがての処理能力が向上 してくると高性能の文字を速く表示しプリントするために画面表示とは別にプリンター側にFontをおく方式が とられるようになった。 このように、ビットマップフォントは画面表示が当面の目的で、ビットの位置データに信号を与え表現する形式 のフォント。アウトラインフォントより高速表示に向いていますが、表示に見合った大きさのビットマップデータを 揃える必要がある。表示に適切なptデータがなかったり拡大表示されると、シャギーが目立つ。
●アウトラインフォント
Macintoshiが登場しアドビー社のPostScrip言語が同時代に確立されるとDTPへの期待と流れは一気に加速し。やがて DeskTop上でもギザギザの文字でなく、アウトラインの綺麗な文字が求められようになった。 アウトラインフォントは、文字図形の輪郭を数学的な関数を使っての再現することに成功した。文字のもつ曲線が 滑らかに表現されるようになり、縮小や拡大しても書体のもつ同一のイメージで保持できるようになった。 (サイズ可変=スケラーブルフォント)アウトラインフォントには、3次ベジェ曲線を使ったPostScript Fontと、 2次Bスプライン曲線を使ったTrueType Fontがある。
● PostScripフォント
ページ記述言語(PDL)の、世界標準となっているPostScrip言語はアドビー社が開発した。 このPostScrip言語によってフォントフォーマット化したものがポストスクリプトフォント。 印刷データーは、現状 PostScrip言語によって高度に管理をされている。また、日本ではTrueTypeは 600dpiでしか出力されない。そのため、高解像度のイメージセッタや商業印刷では主にPS フォントが使われている。このPS フォントは、出力機側のハードディスクに置かれるプリン ターフォントと、ディスクトップ側に置かれる画面表示用スクリーンフォントとの組み合わせで、 日本語環境に対処している。PostScripフォントには、OCFフォント、CIDフォントがある。 (CIDフォントには、初期nakid-CIDと, sfnt-CID(NewCID)がある。
●OCFフォント・Original Composite Fontの略
PostScripアウトラインフォントとして最初に登場したのが、OCFフォント。ビットマップデータを収めた 丸漢ファイルと、フォントデータを収めたスーツケースからなり、フォントデータは幾つにも分かれた階層 構造が一つにコンポジットされている。初めの頃は画面表示はビットマップであったが、後にAdobeTypeManager が出てきて画面表示も滑らかに見えるようになった。
● CIDフォント・・nakid-CID・ sfnt-CID ( NewCID )
OCF は、欧文フォント構造に委嘱しながらいくつもの和文データを束ねコンポジットするような仕組みで複雑 であったが、CID Keyed Fontは一つずつ文字グリフにCID番号をあたえ(AdobeJapan1-3を採用)文字コードと グリフのエンコードがCmapによりおこなわれるようになった。また、PDFへのフォントの埋込ができるように なり、sfnt-CIDでは、異体字の切り換えも可能になった。
●高解像度 ●中解像度---PSフォントの商品構成のひとつでライセンスを分けている。原字の質に差があるわけでは ありません。また、解像度の高・中・低という呼び名も定義によって分類いるわけではありません。 ●ATMフォント-----PostScripフォントの画面表示用フォント。プリンターフォントを画面表示用に応用したもの Adobe Type Managerとの併用により、滑らかなアウトライン文字がディスクトップで表示される。 プリンターがPSプリンターで無い場合でもAdobe Type Managerによってラスタライズされプリントされる。 ATM専用としてパッケージ販売される場合と、高解像度パッケージにふくまれるているときもある。
●TrueTypeフォント
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Apple社がMicrosoft社と共同で開発したフォントフォーマット。Mac.OSやWindowsに標準で装備されている。 漢字Talk7.1から登場した。それまで画面表示はビットマップであったが、標準添付のOsakaがTrueTypeになり。 滑らかに表示された。日本ではTrueTypeは600dpiでしか出力されない。そのため商業印刷をともなう環境では 必要以上に敬遠されるが、TrueTypeのフォーマットそのものが粗雑ということでは無いようにおもう。
●OpenTypeフォント
Adobe社とMicrosoft社が PostScriptフォントとTrueTypeフォントを統合する形で規格化した。 世界規模でのネットワークの標準化をめざして、文字規格の統一が提唱されている。このUnicord規格を 採用している。MacOSXとWindowsでクロスプラットホームに使えるという次世代をめざしたフォント形式。 もう一つの特徴は、出力時にフォントデーターをプリンターに直接送信する(ダイナミック・ダウンロード) となり、プリンター側にフォントがいらないことである。また、Pro仕様では収録文字数が大幅に拡張され 約2万字が利用できる用になった。PostScript形式のものととTrueType形式のものがある。